☆ フルーブ
601 * 水が起源
このたび、お洒落な広報紙「ふる~ぶ」に新しいコーナー〈オリジン〉が誕生した。ふる~ぶとはフランス語で流れる大河を意味する。吉野川なら悠々と流れる河口あたりの雰囲気だろうか。一方、オリジンとは英語で起源のこと。四国三郎の源流は、約200kmさかのぼった四国山地の森の中だ。ここから湧き出す清く美しい水が、遠く旅して大海へと注ぎこむ。
徳島の水はとても美味しい。ミネラルウォーターと同じか、それ以上と言われる。なぜだろうか。水を分析して硬水とか軟水とか、データや根拠によるものではない。ただ、水を口に含むだけで、「うまい」と直感的に感じてしまう。人工的に作られたものではなく、豊かな自然から生み出された水の恵み。私たちは特に水に対して敏感なのだろうか。生命に直結した重要なものとして、本能的に遺伝子に組み込まれ、無意識のレベルで記憶に刷り込まれているのかもしれない。
水があり海があったからこそ、地球に生命が誕生したのである。悠久の歴史をひもとくと、生命の起源や生物の進化、ヒトの出現には水が不可欠であった。さらに、水路がある地域に文明が発祥するなど、水は重要な役割を果たしてきた。水とは蛇口をひねればあたりまえのように出てくるもの。あらためて考える機会はないかもしれない。たかが水、されど水である。
夢とロマンを感じながら、皆さまと一緒に水について探っていきたいと思う。
602 * 大宇宙から
木の緑が鮮やかな季節になった。葉っぱの上でキラリと光る丸い水滴。豊かな自然に触れると、私たちの瑞々(みずみず)しい感性や身体まで活性化されるような気がする。
さて、ヒトの身体は、そのほとんどが水分で成り立っている。人間が地球に登場できたのは、かつて生命が海から誕生し、進化してきたからだ。海の水は塩辛く、その塩分の濃度は、ヒトの血液や体液の濃度とほぼ同じなのである。それでは、これらの水や海は、一体どこから来たのだろうか。実は、大宇宙と深い関係があるのだ。とてつもなくずっと昔、何も存在しない無の世界に大爆発が起こった。ビッグ・バンによる宇宙の誕生である。最新の計測によれば約120億年前。その後、宇宙は光に近い速度で膨張し続け、約46億年前に太陽系や地球が形成された。ある時、多数の氷をまとった微惑星(彗星)が地球に衝突し、海を構成する水と生命の材料を提供したという。これが「地球外からの飛来説」である。
このように、水が宇宙からやってきたという話には、夢やロマンが感じられる。しばしば小宇宙(ミクロコスモス)にたとえられるヒトの身体。さらに、人間の心には、大宇宙(マクロコスモス)よりもっと広がる想像力がある。近代の作曲家バルトークは、ピアノ曲集「ミクロコスモス」153曲をこの世に残した。一度、この音楽を聴きながら、宇宙に想いを馳せてみてはいかがだろうか?
603 * 梅の実
春からだんだんに温かくなり、梅雨(つゆ)の季節になった。「天の恵み」により、大地は潤い作物は育つ。梅の木にも大きな実がつき収穫できる。
梅という字は「木」と「毎」とから成りたつ。毎には、いつも、常に、定期的、継続、子孫、果実という意味がある。だから、梅とは、「毎年たくさんの実をつける木」のこと。また、梅の語源として、「ウ」はうむ、「メ」は実で、熟実「うむみ」の意とする説もある。
さて、梅の実を手に入れたら、漬けて寝かせて置くと、美味しい梅酒のできあがり。さわやかな香りとさっぱりとした酸味が特徴だ。数カ月待つ愉しみも、またよいだろう。
また、しその葉で塩漬けすると、梅干しが完成。梅干は古来から「三毒を断つ」と言い伝えられている。食べ物の毒、血の毒、水の毒の3つだ。お弁当に入れると、殺菌作用により腐敗を防ぐ。整腸作用により下痢にも効き目がある。梅干しのすっぱさは、主に、クエン酸などの有機酸が含まれているからだ。クエン酸は脳を刺激し、脳からの司令により、胃腸が活発に動き、食欲が増進してくる。体調を崩した時には、「おかゆと梅干し」を勧めたい。これからさらに暑くなり、夏が到来する。夏ばての予防にはぜひとも梅を活用してほしい。
今回は梅について触れたが、次回は、木偏(きへん)を水編(さんずいへん)に変えて、「海」の話へと進みたいと思う。
604 * 恋の浜辺
海は広いな 大きいな 月が昇るし 日が沈む 海は大波 青い波 揺れてどこまで 続くやら 子どもの頃に歌った懐かしい
曲「うみ」。目を閉じると、波の音、かもめの声が聞こえてくるようだ。海の季節、7月がやってきた。10日は海開きで、20日は国民の祝日「海の日」である。この機会には、いつも忙しくしている人も、海や山に足を運び、自然に親しんでほしい。
さて、暑い夏は若者にとって恋の季節でもある。デートに行くなら、海がいい。マリンスポーツで汗をかき、一緒に楽しもう。夕方には、水平線に沈む夕日を眺めながら、カクテルグラスを傾ける。夏の夜は、月に照らされた浜辺を、腕を組んで歩きながら、語り合うとよい。傍らには、うち寄せる波。波の音を聞くと、人はなぜか、懐かしい気分になってしまう。無意識であっても、遺伝子に刷り込まれた太古の記憶が、甦ってくるからだろうか。また、波のリズムには心地よい揺らぎがあり、心が癒されるものだ。
歌人の与謝野晶子は「海恋し潮の遠鳴り 数えては 少女となりし 父母の家」と詠んでいる。二人の愛が熱く燃えあがり、ゴールインすることも。カップルに西洋の言葉を送ろう。「海はいかなる川をも拒まず」。心が広い家庭は、どんな流れがやって来ようと、ぐっと受けとめることができる。いちど、海へ出かけ、大海の懐の深さを肌で感じてはいかがだろうか。
605 * 水のパワー
世界一のバンジージャンプ。
降下距離は111m、ビルなら30階ほどの高さだろうか。今、私はまさに飛ぶところ。眼下のザンベジ川を見ると、目がくらみ、足がすくんでしまう。顎をあげて、はるか前方の山々に向かって、さあ行くぞ、ジャンプだ。「わぁーーー!」
私は国際学会でアフリカ南部のジンバブエに来ている。かつては、南ローデシアと呼ばれた国だ。隣のザンビアとの国境に流れるザンベジ川。ここに世界三大の滝の一つ「ビクトリアの滝」がある。ジンバブエ側で高さ120mの気球に乗ってみた。見渡す限りの地平線の中に、モクモクと舞い上がる白い水煙。滝の大きさと比べると、人間や動物は、芥子(けし)粒みたいに小さい。
滝めぐりのツアーは、驚きの連続。天地を揺るがすような轟音とともに、大河がまっ逆さまに落ちていく。天気が良くても、飛び散った水のしぶきが数百mも飛び散り、スコールのような雨が降る。身体がぐっしょり濡れても、心はなぜか癒されるようで気持ちがいい。7色の虹が私たちを包みこみ、自然と一体化したかのようだった。
まさに、莫大な水を飲みこむ地球の割れ目。なぜ、自然はこのような大瀑布を作ったのだろうか?こんなに大量の水はいったいどこからやってくるのだろうか?遠くから眺めると、さっき飛んだ111mは、大したことがないように思える。小さな人間が、大きな水のパワーをもらったような気がした。
606 * 化石のロマン
先日、郷土文化会館で開催された化石展を訪れた。以前から恐竜や翼竜の歯の化石がニュースとなり、静かなブームを呼んでいる。アンモナイトやサンゴを見つめていると、タイムスリップしたような気分になる。
さて、化石とは石が化けると書くが、ただの石ではない。地質時代に生きた動植物の遺骸が残ったもの。化石になるには条件がある。川、池、湖、海など、水によって土や砂が運ばれて、溜まる場所が必要。土砂が堆積したところに埋もれ、圧力で水や空気が押し出され、最低2000年かかって化石となる。生命を誕生させ育む水は、化石の形成にも深く関わっているのだ。化石研究会の鎌田会長は、熱っぽく語る。現代人が出現して、わずか10万年ほど。目の前にあるこの化石は1-2億年前のもの。石を割って化石がパっと出た瞬間、何千万何億年の昔、太古の世界に時空を越えて行ける。岩石に封じ込められた遠い過去の発見が、私たちに与えてくれる新しい感動の数々。
インターネットでは、化石というキーワードで簡単に検索できる。まずホームページで化石に触れ生命の移り変わりやその尊さを感じてはいかがだろうか? ボーとした「生きる化石」にならず情熱を持ち潤いのある人生を目指してみよう。なお、化石はギリシア語を語源とし、英語でfossil(ホッシル)という。掘る+知る、古代のロマンを欲っしる、という由来があるのかもしれないと、迷(?)学者の私は考えている。
607 * エネルギーはどこから
先月は化石について話をした。「遠い昔のことなんて、現代の生活に全然関係ないよ」と、思う人がいるかもしれない。でも、実は密接なつながりがある。私たちが営んでいる豊かで便利な暮らし。衣食住はお洒落で、車で移動できる。これらを支えているものは何だろうか。石炭や石油などの資源である。これは化石燃料と呼ばれ、大昔の植物や動物が長年かかって変化したもの。人類はこれらを巧みに使い、産業革命以降、工業社会を作り上げてきた。今までに膨大な量の石油を使ってきたため、残っている埋蔵量はあと40年ほどしかないという。
石炭や石油を燃やし続けてきたことで、二酸化炭素(co2)が地球に溜まってきた。co2は温室効果ガスの一つで、ちょうど温室のガラスのように地球を包んで暖めている。人類の活動により排出されるco2が急激に増え、「地球の温暖化」が問題だ。「京都議定書」にみられるように、世界で協調して対策を講じねばならない。
21世紀末には、地球全体の平均気温は約2℃(1ー3.5℃)上昇するとの予測。気温の上昇によって南極や北極の氷が解け、海水面は約50?(15ー95cm)上昇するという。そうなると海沿いにある町は、海に沈んでしまうかもしれない。
徳島の川や海の水は清く、海岸線も美しい。風光明媚なスポットも数多く秋の行楽に最適だ。今から100年後、ドライブしながら眺める景色はどのように変わっているだろうか。
608 * 秋を感じ月を愛でる
水面に漂う紅葉の葉。夜空には、ぽっかりとまん丸い月がこちらを眺めている。徳島市の新町川のほとりで、宮廷の調べを聴く「観月雅楽演奏会」が先日行われた。
水辺に流れる雅楽の音楽。笙や篳篥が奏でる荘厳な音色は、私たちの心を震わせる。直垂を身にまとい、幻想的な舞まで披露された。悠久の時を越え、平安時代にタイムスリップしたかのような幽玄の世界だ。秋になると、日本古来の趣が感じられる。空気が澄んでいるので、月がきれいに見える。だから、旧暦の8月15日の満月は1年で最も美しく、「仲秋の名月」とか「十五夜」と呼ばれる。翌日は、十六夜の月。月見にはぴったりの時間帯だ。子供のころ、縁側や窓辺に、だんご、すすき、里芋などを飾って秋の名月を鑑賞した人も多いだろう。
その情景では、風がすすきを吹き抜ける自然の音こそが、音楽であった。じっと月を眺めると、うさぎが餅をついているように思えたものだ。
毎晩、月が東の空から顔を見せる時刻は遅くなる。だから、その翌日からは、立待月、居待月、寝待月と呼ばれている。一カ月後、旧暦の9月13日になると、次に美しいとされる「十三夜」を楽しめる。だんごやすすきに加えて、枝豆や栗なども供える。月の光を身体いっぱいに浴びながら、はるかかなたの月に想いを寄せてみよう。
いちど、月を愛でながら、秋の風流を感じてみてはいかがであろうか?
609 * 大杉に誓う
「川の流れのように」の歌が会場全体を包み込む。観客全員が無意識のうちに自然と口ずさんでしまう。クライマックスにぴったり。私たちの身体と心は、リズムに合わせてゆったりと大きく揺らいでいた。
先日、徳島に演劇「美空ひばり物語」がやってきた。全国ツアー中で、まさに芸術の秋にふさわしい。美空ひばりの人生を、子供の頃から描いたもの。ひばり役は浅茅陽子が演じ、母親役には南田洋子、弟役には国広富之と、豪華キャストだ。また、江利チエミと共に「三人娘」と呼ばれていた雪村いづみは、ひばりとずっと親交を深めていた。複雑な想いを持ちながらの歌や演技はとてもお洒落だった。ストーリーには山あり谷あり。笑いもあれば、涙も流れる。不屈の精神で足の痛みに耐えたり、東京ドームのこけらおとしで不死鳥のごとく蘇ったりと、わくわく、はらはらの連続だった。
ひばりさんは子供の頃、巡業中に高知県の大豊町でバス事故に会い九死に一生を得た。そのとき日本一の大杉に向かって「日本一の歌手になるぞ」と願を懸け、美しい空に飛ぶひばりを見て芸名を決めたシーンは、特に印象深かった。吉野川の源は高知県にあり、多くの雨が川の流れをつくり、樹木を育てている。音楽療法の研究調査によると、中高年が好きな歌手のトップは美空ひばり。日本人の唄心や人生観の源がひばりの歌に感じられ、多くのファンがひばりを長年育ててきたのではないだろうか。
610 *流れ星からのメッセージ
先日のしし座流星群をご覧になりましたか?天体ショーの美しさに感動した人も多いだろう。実は、流れ星はとても近いところにある。そのバックには無限の宇宙が広がり、煌めく星たちが、遠くから私たちに微笑んでいるかのようだ。太陽系には、中心から水星、金星、地球、火星、木星・・という順番に惑星がある。その覚え方は「水金地火木・・」だ。地球の近くにあるのが火星。調査すると極めて寒冷で、主に二酸化炭素の大気はわずか0.005気圧しかない。こんな環境でも生命は生き延びて増殖できるという。また、地表の地形から、数十億年前には確かに水が存在していたというのが定説。以上から、火星生命の存在が大きく期待されている。
地球外生物や異星人、宇宙人は、ET(Extra-Terrestrial)と呼ばれる。以前は映画で、今は大阪のテーマパークでお目にかかれる。ETの姿や形は星によって異なるだろう。しかし、生命の起源(オリジン)に水が関わっていることは間違いない。
「オズの魔法使い」に登場するオズ国の王女の名はオズマ。オズマ計画という宇宙探査の流れが発展し、ヘルクレス座の球状星団M13に電波メッセージが送られた。M13星人への手紙には太陽系、元素、人間、DNAなどの情報が含まれている。
今、地球は21世紀。到着するには約23000年かかる。受け取ってくれれば、将来、かわいいETが地球にやってくるかもしれない。「ほうき星」に乗って。
611 * 風のベクトル
新しい年2002年が到来した。皆さまはどのようにこの一ヵ月を過ごされただろうか?一年の中で最も寒い季節。身体が凍えてブルッとすることもある。低い気温の刺激は、皮膚から神経系へと伝わっていく。そのために、頭はスカッと、心はシャキッとなる人も多いだろう。
以前に私は、すこし普通と違うところで、「初日の出」を迎えたことがある。そこから東を見ると、水平線のはるか向こうから太陽がチラッと顔を出す。その御来光は放射線状に放たれ、とても美しい。西に目を向けると、吉野川河口すべてがオレンジ色に輝いている。水面のさざ波がきらきらと光を反射し、大河にかかる橋まで金色だ。遠くには、緑豊かな眉山が静かに佇む。この情景をそのまま切り取ると、名画となるだろう。風は身を切るように冷たかったが、緊張感とともに、ホッとするような癒しの気持ちもわき上がってきたのを思いだす。
さて、私がいた場所とはヨットの上。徳島港を出発して鳴門海峡の方角に向かっていた。通常ヨットは夏の風物詩だが、冬でもヨットは進む。風がどの方向から吹いても、帆や進路を工夫することで、目標まで達することができる。いま日本のみならず世界の社会情勢は厳しい。私たちはいったいどこへいくのか。いろんな力を合わせて、そのベクトルが目指す方向を決めよう。そうすれば、多少の揺れがあっても、目標に向かって着実に進んでいけるものと思われる。
612 * スケートは白鳥のごとく
ダイヤモンドダストが空中でキラキラと光る。冬の空気が冷たく冴えわたる、寒い朝などに見られるものだ。気温はマイナス20℃。ここは北海道帯広市。先日「青空とかち冬季国体」が開催された。こんな凍えるような気候でも、徳島から出場したスケート選手は熱く燃え、氷上の闘いは氷を解かすほどだった。
スケートリンクに隣接する高等学校を見つけた。白樺学園である。優れたスケート選手を多く輩出している高校だ。校舎には「祝ソルトレイクオリンピック出場」と大きな垂れ幕。スピードスケート日本代表20人中、
白樺学園出身者が清水、堀井、大菅選手など9人も占めているのである。ここから車で数十分走ると、十勝川の水面に、数百羽の白鳥が集まっていた。地元の人が長年かかって餌づけをしたもの。青空や吊り橋をバックにした雪と川と白鳥は、そのまま名画になりそうだ。端正で美しい白鳥の姿。極寒のシベリアにも飛べる力を内に秘めていても、仕草は穏やかで無駄がない。力まずしなるように羽ばたいていく。
国体会場に戻ると、北海道代表の白樺学園の少年男子・女子選手が猛烈なスピードで滑っていた。心も肉体もみなぎる力で燃えていても、洗練された技術のためだろうか。白鳥のように、しなやかな動きに見える。サン・サーンス作曲の「白鳥」は6拍子。パワーの2拍子とエレガンスの3拍子を掛け合わせたもの。これがスピードスケートの極意かもしれないと感じた。
613 * 桜と橋で花が咲く
桜の季節がやってきた。寒い冬を越え、ようやくつぼみが開く。花びらは真っ赤やピンク色でなく、薄紅色だからいい。桜の花言葉には、教育や独立、謙譲、歓待などの意味がある。私は桜を見ると、新学期や吉野川のことをなぜか思い出す。おそらく、この時期に吉野川橋を通ったからだろう。17個あるアーチを、指を折りながら数えていたのを覚えている。
本橋は昭和3年に完成した。当時の新聞から、記事の一部を紹介しよう。「113万円の巨費と丸3年余の工期、67,000人が従事」、「東洋一の長橋、雲白の橋脚、虹の如く中空を天架ける小豆色のワーレン・トラスなど、何といふ美しさ、何といふ偉大さであらう・・・」との名文だ。また、流速が強く工事は苦労の連続。現場監督は「度々の洪水に神を念じた」と。その後、橋の真下から大阪へ水上飛行機が出航したり、本橋は交通の要所として大活躍してきた。
歴史はめぐり、今では下流にある吉野川大橋が交通の大動脈となっている。大阪は車やバスで近い存在となった。ただ、少し心配なことがある。京阪神から来た人が、吉野川を渡らずに高速道路を西に向かうことが少なくないと聞く。サクラの語源には「咲く」や「栄える」という意味がある。眉山や徳島中央公園、新町川水際公園の桜もそれぞれ趣がある。山に、街に、そして心の中にも花が咲く。阿波踊りだけでなく、花見の季節にも多くの人々をお迎えし、歓迎したいものだ。
614 * 若い芽を伸ばす
目に青葉山ほととぎす初鰹。五月の風物詩だ。この時期の鰹は脂がのって、とてもおいしい。柏餅や粽など、日本の味覚を、あなたは好きですか?わが国では古来から、食べ物を包む慣習がある。木の葉を使うという生活の知恵だ。防腐効果もあり、病気を避けられる。
先日、日本最古の処方箋が奈良県明日香村で見つかった。古き万葉の時代、飛鳥京でのエピソードを紹介しよう。623年5月5日に、推古天皇が「薬猟(薬狩り)」をしたという。薬となりうる草や木を捜したり、鹿の角など動物の狩りを行ったのだ。この日を記念して、「クスリの日」となった。なお、クスリの語源には「苦しさが去る」という意味で、「苦去り」という説がある。他には「病気が悪くなるリスクを減らす」という意味で、「リスクを逆さまに読んでクスリ」という新説があるという!本当かな?
5月5日は「こどもの日」。こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかる日である。さらに、栄養豊かな海水が育てる「わかめの日」でもあるという。ちょうど新ワカメが市場に出回る時期。徳島の名産として知られ、健康食としても注目されている。ワカメには、子供の成長・発育に欠かせないミネラルやカルシウムなどが多く、若芽のように子供が健やかに育っていくこと間違いなし。ワカメは、漫画のサザエさんにも登場する。元気なワカメのように、子供は輝かしい将来に向けて、レッツゴーゴー。
615 * 美しく清楚な女王
アユの遡上が真っ盛り。吉野川の柿原堰の近くには、釣り好きの人々が集まってくる。勝浦川や那賀川でも美味しいアユが取れ、かつては天皇陛下も召し上がられたこともある。アユは清楚な姿の「川魚の王」とされ、日本だけに住む。中国では鮎がナマズを指すので、和ことばのカタカナ表記がよい。川底で孵化した稚魚はいちど海に入り、その後清流を川上へ遡る。秋には再び流れを下り、産卵すると一生を終えてしまう。だから年魚と呼ばれる。命が短いからこそ、よけいに美しいのではあるまいか。エレガンスに見えるが、縄張りのためによそ者を断固として追い払うなど、芯が強い性格も併せ持つ。
さて、スポーツ根性ドラマの全盛時代に「アタックNo.1」があった。鮎原こずえが厳しい練習を続けて、女子高校バレー界の女王になるという物語。また「金メダルへのターン」の主人公は速水鮎子。水泳部のエースで、ミュンヘンオリンピックの金メダルを目指す。ようやく完成した「トビウオターン」は凄かった。プールの壁を蹴って空中に飛び出すという究極の技。なお、速水鮎子という名前は、ぴったりだった。もし、遅井鯛子なら、ピチピチしたフレッシュな雰囲気が醸し出されない。
夏の魚の風味を考えるとやはりアユは王者だろう。香魚と言われるように、一種独特の香りがある。常食は川のコケなので、育った川によって味も異なる。アユと出会ったら、「一期一会」の想いを伝えてみよう。
616 * 魚は肴
太陽が燦々とふり注ぐ7月。自然と触れあう季節がやってきた。海や川に出かけると、いろいろな魚たちと出会う。「魚」という漢字を、あなたはどう読むだろうか?ウオというのは、魚を動物のひとつとみるときの呼び名。一方、サカナとは、ヒトが食べる食品のひとつとして、魚を考えている場合なのである。
その起源について少し説明しよう。奈良時代、古代人は通常1日に2回の食事を摂っていた。時間帯は朝10時ごろと夕方4時ごろだったとされる。当時の主食は、現在の柔らかいご飯とは異なり、干飯や粳米を蒸した飯など。副食としては、野の草やイモ、淡水魚、海産魚、貝、海草などだった。副食物の魚や野菜などは「ナ」と呼ばれ、サカナは「酒菜」と記されていた。後の時代になって、酒のつまみとして「肴」も誕生したというわけ。
人間とは生物のひとつである。私たちが生きられるのは、蛋白質などの栄養素を摂取しているため。すなわち、牛や豚、魚などを食べて、食物連鎖に関わるすべての生物のお陰でもある。また、健康な体づくりには、ミネラルや繊維質などが欠かせない。そのために、野菜や果物、海産物などの、新鮮な生物を頂いていることになる。魚にはDHAやEPAなどの良い脂が含まれ、健康に良いことが知られている。魚を肴として、みんなで酒やビールを交わし、楽しくコミュニケーションしていきたいものだ。
617 * 葡萄と舞踏で発展を
吉野川に沿って、車で上流にさかのぼってみよう。山あり川あり、美しい街並みが変化していく。川島町や山川町など、それぞれの街には風光明媚なスポットがある。いまここで、合併して新しい市を起こそうという計画が持ち上がっているのが、旬の話題だ。
この地域で8月から旬となるのが、ブドウ園。吉野川が運んだ肥沃な土地で、赤色や紫色のブドウの実があなたを待っている。友達や家族でいちど訪れてみるとよいだろう。
ブドウ狩り 共に楽しく 良いライフ
ブドウの房を採る場合、力まかせにちぎるようなことは避けたい。ブドウの木も生きている、大切に丁寧に扱ってあげよう。必要なら房の根本の枝から、きれいにカットしてもよい。
ブドウ狩り 枝からスパッと 良いナイフ
実を食べるときは、皮に近い部分のエキスを大切に頂こう。赤ワインは健康によいと、話題を呼んでいる。渋み成分のポリフェノールに、動脈硬化を抑える働きがあるためである。
さて、ワイングラスで乾杯するのは、華麗な舞踏会。日常の生活や俗世間から離れられる。「真夏の夜の夢」のように、儚い夢かも知れない。それにしても、シェークスピアの時代には、どのようなパーティを行っていたのだろうか。仲睦まじくステップを踏み、将来に展開しつつあるカップルが、目に浮かぶ。
舞踏会 共に楽しく 良いワイフ
618 * 防災と水
9月上旬は、台風がしばしば日本を襲う時期。立春からの日数で「二百十日」と呼ばれる9月1日は、特に警戒されてきた。暴風雨のパワーは物凄い。風速50m/秒とは、時速180 kmで走る新幹線の窓から顔を出している状態。集中豪雨で溢れた水は、あらゆるものを押し流してしまう。水は脅威である。
約80年前の同日には、関東大震災が発生。家屋の倒壊や焼失で大災害となった。この場合、水は火事を消し人を救う。この日は「防災の日」と定められ、毎年各地で訓練や点検が行われてきている。20年前、私は鳴門市で開催された防災訓練に参加した事がある。急病人の搬送という設定で、初めてヘリコプターに搭乗。プロペラが生む強烈な風、急激な上昇、前傾での飛行には驚かされた。印象的だったのは、防災服に身を包んだ知事の説明。災害で徳島の電話局が被害を受けても、東京の回線を用いて通信が可能であるとのこと。
阪神大震災の際私は大学病院救援隊の一員として神戸に赴いた。そのとき、通常の電話が不通でも携帯電話が役に立ったことを今でも覚えている。現在、誰もが持っている携帯電話。本来リスクマネージメントにプラスのはずだが、逆にいろいろなリスクを生んでいるようだ。同様に水とはもともと命を救うもの。然し、水に絡む問題が世界にマイナスに作用するかもしれない。21世紀は水の世紀。どう考えどうするのか、一緒に考えていきたい。
619 * きれいな水で育つ町
「七年連続で穴吹川が四国一の清流」とのニュースがあった。吉野川の支流である穴吹川が、南北に流れる穴吹町。剣山からの豊かな水と緑に優しく抱かれた町だ。町の郵便番号は777。平成七年七月七日に生まれた子供の七歳を祝う「777(スリーセブン)バースディ」など、お洒落なイベントが続いている。
平成7年から7年間かけて作られたものがある。名所旧跡に作られた7つのミニ宮殿で、その名前は楽喜(ラッキー)宮殿。これらが位置する場所を描くと、北斗七星の形になる。第1号は龍宮城がイメージされた。第3号は恋人峠に建設され、若いカップルが恋の成就を願って、ペアで鍵を掛けに来る。第5号のテーマは「邪馬台国、四国山上説」。第7号宮殿には古墳時代のように「人と動物、自然が一体となって平和に暮らせるように」との願いが込められている。
町の花は百日紅。夏から秋にかけて、紅や赤紫、桃色の花が鮮やかに咲き続ける。古来から高貴な花と称され、なめらかな木肌を保つ。花言葉は、雄弁、手先が器用、創意工夫など。清流の町にふさわしい花だ。町の木はぶな科のかし。岩場にも逞しく根をおろし、素朴で堅実な町民性に調和している。かしの木は堅く一年中緑を保ち、大木へと成長する。植物から作られる名産として、饅頭などのお菓子でも有名な穴吹町は、川の流れのように、ごく自然に発展していくことだろう。
穴吹町 きれいな水で 育ってる 花も草木も 町も子供も
620 * シナモンはお洒落な元気の素
吉野川上流の三加茂町には、巨木「加茂の大クス」がある。国指定の特別天然記念物であり、樹齢は1000年以上。根元の周囲は20m、樹高は25m、大空に広がる枝ぶりは東西50m、南北45mにも及ぶ。たった1本で鎮守の森を思わせるこの楠は、日本一とも言われる。傍らに立つと老樹の威厳と穏やかさを感じる。心と体を優しく包み込んで癒してくれるようだ。
クスノキの学名はCinnamomumcamphora。シナモン(肉桂・ニッケ・ニッキ)は昔から食品や香辛料に用いられ、ニッキ飴や八ツ橋、カレー、ソースなどに使われている。最近流行しているのがシナモンロール。シナモンのトーストやガム、シロップなどもお洒落で人気がある。
歌手のさだまさしさんの曲「パンプキン・パイとシナモン・ティー」の一節には「シナモンの枝で恋しい人の名を書けば…」と。実際には、枝ではなく皮だ。樹皮をはがして丸めたものがシナモンスティック。いずれにせよ、小枝の方が可愛いですね。
漢方の世界では、肉桂は桂枝と呼ばれ、桂枝○○湯(丸)など薬として重宝されてきた。効用は「気の巡り」の活性化。その香りは広く知られている。防虫剤としてタンスに入れたあの樟脳(camphor)の懐かしい香りなのだ。今でも強壮薬、鎮痛薬、健胃剤として活躍している。いちど常緑広葉樹である大クスを訪ねてみませんか。究極のカンフル剤として森のエキスで「血の巡り」も良くなり、きっと元気溌溂となることでしょう。
621 * 吉野川に憩いのオアシス
高速道路がいま注目されている。四国ではエックスハイウェイのネットワークにより各都市が結ばれている。そのほぼ真ん中で、徳島自動車道に隣接しているお洒落な施設が「吉野川ハイウェイオアシス」だ。ここには吉野川を眺望できる露天風呂も併設され、旅の疲れも吹っ飛び癒されそうな気がする。この施設が人々の「心と自然の港」になるようにと、大きな期待が寄せられている。
ところで、昭和11年2月にこの地域を訪れた著名な詩人がいるのをご存じだろうか。「七つの子」や「赤い靴」などの作詞で知られる野口雨情である。当時、北原白秋・西条八十と並んで三大童謡・民謡詩人と称されていた。先日出版された「阿波路の雨情」によると、雨情は何度か徳島の各地を訪れている。作曲家の中山晋平や歌手の佐藤千夜子とともに徳島で自作童謡普及の演奏旅行をしていたとき、「しゃぼん玉」の歌詞を綴ったとされている。
この3人は素晴らしい歌や童謡を世に広め、多くの人々の心を和ませた。その一つに「波浮の港」が挙げられる。
磯の鵜の鳥ゃ 日暮れにゃ 帰る波浮の港にゃ 夕やけ小やけ あすの日和は ヤレホンニサ なぎるやら
徳島から近い関西国際空港が目指しているのはアジアのハブ空港。同じように「吉野川ハイウェイオアシス」が車の大動脈のハブの港となるとともに、心の憩いのスペースになってほしいと願っている。
622 * ジャングルの王ライオン
「森には水がなくなり荒れ果ててしまった。どうか助けて」と訴える雌ライオン。雄ライオンが水面を覗き込む。そこには自分と瓜二つの父の姿が…。父は力強く息子に語りかける。「Remember who you are !(自分は一体誰なのか、思い出せ)」と。「そうだ、僕はライオンキングなんだ。敵と対決するぞ」と決意するシンバ…。
私がいま滞在している街はロンドン、劇場が立ち並ぶコベントガーデンである。世界中の演劇通の人々がやってくるスポットだ。今回観劇するのは、よく知られたライオンキング。映画や劇団四季の演劇で観たことがあるが、楽しみにしていた英国のステージだ。冒頭でアフリカの歌が魂にジーンと響いてくる。ビシバシと決まるシャープな動き。躍動感溢れたダイナミックな踊り。舞台の下で演奏される音楽に合わせ、ミュージカルのコーラスが響き渡る。私の身体の細胞までが嬉しくて共鳴し震えているかのようだった。確かに本場はレベルが違う。
しかし、日本の演技が負けていない点もあった。動物の模型を身に着けて動く場面。日本人の細やかな手先の動きや微妙な間の取り方は、決して優るとも劣らない技と言えるだろう。本劇は、日本最初のカラーアニメ「ジャングル大帝」を参考にしたという説がある。作者の手塚治虫先生の理想は、自然と人間、動物たちの共生。大自然をもう一度見直しながら、私たちが関わる大切な生命について、一緒に考えていきたい。
623 * 愛とともに雪や氷も昇華する
新しい年、平成15年。1月下旬に国体の冬季大会が開催された。全国からアイススケート代表選手が集結したのは群馬県の伊香保リンク。気温は氷点下と冷たいが、選手の滑走や関係者の声援で熱気はムンムン。汗は瞬時に蒸発してしまうほどだ。競技の後、伊香保温泉に足を運び、ようやくほっとできた。
同温泉は万葉集でも詠まれ、鎌倉時代から湯治場として発展。明治時代には御用邸も開設された。名物の石段街で行われる祭りでは、芸妓が叩く太鼓のお囃子が素晴らしく、人々を慰めたという。東大教授のベルツ博士はここで研究を重ね、わが国の温泉医学の父と称されている。
このように魅力ある当地を愛した中央の政財界人や文人は少なくない。夏目漱石や芥川龍之介なども訪れ、徳富盧花が著した「不如帰」で、伊香保の名が全国に知れ渡ったのだ。古くから日本では、温泉で病気を治す温泉療養(湯治)が知られ、疲れた身体を癒してきた。人々が驚いたのが、霊験新たかな温泉の効用。その感謝の気持ちが神や仏の信仰にまで昇華されていったのであろう。
日本人は温泉が大好き。年始のテレビ番組では、しばしば全国の温泉地が紹介される。湯けむりに包まれる麗しい女性の姿だけを、目で追っている人がいるかもしれない。一方、文豪の場合、雪や氷が水蒸気に昇華する姿をじっと見ることにより、恋を愛に昇華させるエネルギーがふつふつと沸き上がってきたのではあるまいか。
624 * 水は旅する
コラム「origin~源流~」が始まったのは2年前。宇宙のかなたから、水と生命体が地球まで旅してきた。気が遠くなるほどの時間と距離。アフリカの大河ナイルを経て、瑞々しい自然に溢れる「日出る処の国」に到着したのである。
日本の三大河川と言えば、利根川の坂東太郎、筑後川の筑紫次郎、そして吉野川の四国三郎だ。吉野川のテーマソングがあるのをご存じだろうか?歌っているのは、演歌界の大御所として知られる北島三郎さん。
「青い旅人」~吉野川~ 吉野川 青い流れよ 或る人は 嘆きを沈め 或る人は 舟を浮かべて 恋人と 愛を語る 吉野川 母なる川よ
清い水を湛える大河は、フランス語でフルーブ(fleuve)と言う。また、大河を研究する河川学は、英語でfluviologyと呼ばれる。古くてもいつまでも新しい学問であり続けるだろう。吉野川を河口から上流に向かうと、瓶ケ森にたどり着く。この源流から空中へ飛び出して、再び生命の期限である宇宙へと旅に出たい。近い将来、煌めく星からのメッセージが皆様に届くかもしれない。そのときは、夜空の星に願いを込めて、あなたの夢や優しい心を地球から発信してくださいね。
24回にわたって大切な水にまつわる話題をお伝えしました。嬉しかったのは、いろいろなお便りや反響を頂いたこと。誠にありがとうございました。それでは、また会う日まで~~!
☆ エッセイ‐Ⅱ
101・ショパンの恋人とワルツ
102・音の表現
103・マレーシアの母子ケア
105・中国の医学と医療のギャップ
106・聴診器片手に鍵盤を想う
107・医学教育国際シンポ
108・ベトナムの医療-1
109・ベトナムの医療-2
110・ラオスの医療
111・芸術と科学
112・8の字ダンス
113・南アフリカ共和国
114・宇宙とドレミ
115・お酒で健康
116・美しき声音
117・寅・トラ・虎
118・ノミの心臓.ノミのジャンプ
119・癒しの音楽
120・「オー、ノー」
121・明日に架ける橋
122・オーレ・オレ
123・ピカソの筆
124・手塚治虫はピアニスト
125・音楽療法とスケート
126・2000年に向けて
127・モーツァルトと神の愛
128・旨い店
129・文化の発信
130・狂言と想像力
131・鮎との出会い
132・家庭医のグループ診療
133・米国内科学会への参加
134・ニュージーランドのリエゾン医師
135・米国の内科の近況
136・夏ばてと阿波踊り
137・スポーツとは
138・歌舞伎のおおらかさ
139・地球の歩き方ー医療編
140・0を数える
141・オリジナル
142・新大学生は右脳を刺激しよう
143・桜を愛でる
144・インドの数学
145・歌とダンスと音楽と
146・梅の実
147・食物サイクル
148・ジンバブエの医療と経済
149・わからないのがよい
150・世界一のバンジージャンプ
151・四季の色彩
152・化石はロマン
153・和魂洋才
154・海岸線は変わる
155・秋のコンサート
156・ジンバブエの医療
157・月見と雅楽
158・川の流れのように
159・12月は「合唱」
160・水の重要性
161・心は強く
162・アフリカ地域の医療
163・バランスに優れた全人的医療を望む
164・キューバの幸せ
165・しなやかな繭の糸