ダウンロード
音楽のある人生のススメ.pdf
PDFファイル 5.4 MB

△ 音楽・療法 

 

 音楽は、人の心とからだを癒し、元気づけ、健康にします。欧米では、音楽が治療法のひとつとして認識されており、数十年前から、多くの音楽療法士が活躍しています。音楽療法とは歌ったり、音楽を聴いたり、楽器を鳴らしたりすることで、双方の心や身体を、適度に刺激して調和させ、生活を豊かにしていくための手助けをすることです。音楽は私達の日常生活に密接に関わっており、医療・福祉をはじめ、多くの機会に、大きな働きを果たしています。

 日本音楽療法学会では、すでに、多くの方々が学会認定の音楽療法士として日本各地で活躍しています。私の子供の頃の夢はピアニスト・作曲家でしたが、今はうまく音楽と協調した生活です。

音楽とリハビリ

 

音楽や医学の起源を考えてみよう。かつて、人間が集団生活を営むようになり、呪術から宗教が誕生した。その儀式を通じてリズムや歌、音楽が生まれる。宗教心により病人が手当され、介護や看護、医療が発展していく。この指導者が薬師や医師の役割を担つてきたのである。 

元来、リハビリテーションとは、宗教的な意味合いを持つ。教会を破門された者が再び戻るのを許されることだ。そのため,回復や復興、社会復帰というような場合に、本用語が用いられることがある。

人は、径我によって身体が機能しなくなったり、プライドや人間性など心が傷つけられたりする場合がある。この状態を本来の姿に回復させるように導くプロセスが、リ八ビリテーションであろう。この際には、音楽に内在するパワーが、補助的な役割を果たすことができる。本稿では,以上について若干の概説を行う。

 

音楽療法の基本的事項

 

音楽療法とは「音楽の持っているさまざまな心理的・生理的・社会的働きを利用して行われる。治療、リハビリテーション活動、保健活動、教育的活動などを総括的に表した言葉であり、非常に幅広い内容を含む」ものである。

1)受動的と能動的:音楽を聴取するのが受動的であり、歌ったり楽器を演奏するのが能動的な活動である。

2)グループと個人セッション:週に1回,5~10人程度もしくは数十人というグループのセッションがしばしば行われている。クライアントと1対1で行う個人セッションでは、各人のニードに対応できるが、それほど頻度は多くない。

3)音楽の提供法:受動的な例として、BGM,ウォークマン、ボディソニックなどがある。わが国で開発されたボディソニックは、ベッドや椅子にスピーカーが備え付けられたものである。これから発展させたのがボディソニック・レーム(BSR)で、老人痴呆に対する効果が検討された。能動的な例には、歌唱、カラオケ、太鼓など打楽器、キーボードやギターなどの楽器演奏が含まれる。

4)リハビリで音楽を活用するコツとして、音楽療法士によるセッションの例を表理学療法士による歩行訓練の例を表2

5)リハビリテーションの際に、適切な音楽の併用が効果的であるとされる。その理由の一つとして、「動作と音楽とを統合する理論」がある。たとえば、ピッピツという音に合わせて自転車ペダルを踏む場合を考えてみよう。-定のリズムの音をペースメーカーとすると、スムーズに運動を持続できることが知られている。この原理は[神経筋同調法]と呼ばれ、音が出るすこし早いタイミングの時期から、筋肉は収縮前の準備のために興奮していることが明らかになっている。このようなメカニズムによって、音のタイミングに遅れることなく動作を合わせられ、ぎこちなさがなくなる。これが[聴覚リズムによる筋運動準備過程]である。以上より、手を叩いたり音楽を流しながら歩行訓練をすると大幅な改善がみられ、リハビリテーションに有用であると考えられる。


ダウンロード
リハビリに音楽をどのように用いるか?.pdf
PDFファイル 2.4 MB


 301・運動と音楽   302・音楽療法とリハビリテーション 
 303・栄養と音楽   304・医療における音楽療法(上)  
 305・休養と音楽                306・音楽療法の現状と展望  
 307・内科疾患と音楽療法   308・Music Therapy and Internal Medicine 
 309・医療における音楽療法(中)          310・高齢者のQOLと音楽療法の導入       
 311・医療における音楽療法(下)         312・癒しの音楽を考える-1            
 313・癒しの音楽を考える-2   314・高齢者の音楽療法 
 315・プライマリ・ケア医療と音楽療法        316・音楽関係者のエゴグラム 
 317・音楽は身体で聴く    318・医学と音楽の融合で刺激
 319・日本人の心を打つ音楽   320・音楽療法との出会い  
 321・音を揺らぎから科学する   322・代替療法としての音楽療法 
 323・音楽療法と音楽健康法   324・音楽療法とQOL  
 325・音楽ですっきり                 326・生活習慣病と音楽療法            
 327・音楽聴取とエゴグラム        328・保健活動に音楽療法を No.1         
 329・保健活動に音楽療法を No.2       330・全人的医療の音楽セラピーを         
 331・音楽療法と心理学 No.1             332・音楽療法と心理学 No.2           
 333・音楽療法と心理学 No.3               334・音楽と食事、休養について          
 335・リハビリテーションに音楽を用いる方法    336・キューバのメンタルヘルスと代替療法   
 337・音楽療法の実践例と不眠への効果       338・日本の音楽とその機能(1)              
 339・日本の音楽とその機能(2)           340・日本の音楽とその機能(3)         
 341・音楽療法の効果と評価(1)               342・音楽療法の効果と評価(2)              
 343・音楽療法の効果と評価(3)        344・頭の良くなるモーツァルト            
 345・日本音楽療法学会が開催         346・心とからだを癒すモーツァルト      
 347・音楽療法の基盤 No.1             348・脳卒中患者の早期、リハビリ期の音楽療法 
 349・音楽療法の基盤 No.2               350・統合医療における音楽療法        
 351・音楽療法の基盤 No.3              352・心理学における音楽療法-1        
 353・心理学における音楽療法-2             354・日常の音と音楽 No.1                 
Powr.io content is not displayed due to your current cookie settings. Click on the cookie policy (functional and marketing) to agree to the Powr.io cookie policy and view the content. You can find out more about this in the Powr.io privacy policy.